それはまた,もの凄い昔の話ですね(笑)。
林省吾氏:
まずはその話を30分くらいしますか(笑)。
4Gamer:
林さんからもお許しをいただいたようなので,ぜひ。
木屋氏:
ではええと,せっかくですので,本当に最初のきっかけから。妻が出産で,しばらく家に帰ってこない時期がありまして,ヒマを持て余していたんです。それで,何か面白いものはないかと思っていたときに,ふと立ち寄ってみたデパートで,パソコンというものが売られていたんです。
4Gamer:
その頃は,まだ"マイコン"と呼ばれていましたよね。
木屋氏:
そうそう,マイコン! 懐かしいですね。当時はちょうど,PC-6001が発売されたばかりの時期で,手が出ないほどの金額ではないし,ちょっと面白そうだなと思って買ってみたんです(編注:PC-6001は,1981年に8万9800円で発売されている)。そうしたら,そこからハマッてしまったんです。
4Gamer:
PC-6001の発売というと,確か25年以上も昔になりますね。
木屋氏:
そうですね。私がまだ,21〜22歳の頃です(編注:木屋氏は1960年生まれの46歳)。
65歳の女性のための健康的なパルスとは何か4Gamer:
ちょっとした興味からマイコンを手に入れて,そこからプログラミングを始めるようになったわけですね。では,日本ファルコム(以下,ファルコム)に出入りするようになったきっかけは,何だったんですか?
木屋氏:
ファルコムは当時,いまで言うパソコンショップ(アップルコンピュータの代理店)で,しかも結構ヒマなお店だったので(笑),遊びに行くと加藤さん(ファルコム創業者の加藤正幸氏。現ファルコム会長)がいて,「まぁ,コーヒーでも飲んでいけ」なんてことになって,よく話をしていたんです。
4Gamer:
しょっちゅう遊びに行っているうちに,自分で作ったゲームを持ち込むようにもなったと。
木屋氏:
ええ,当時のマイコンなんて,自分でプログラムを作る以外,ほとんど使い道がなかったですからね。それで私も,自分で一生懸命にゲームを作っていたところに,加藤さんから「せっかくだから,これを売ってみない?」という話をもらうようになったんです。
4Gamer:
そしてそれが,だんだん評判になっていったわけですね。
浩は、細胞レベルで膵臓機能しない木屋氏:
そうですね。それで最初の頃はお金をもらうんじゃなくて,ゲームを一本作ったらディスプレイを一台とか,プリンターを一台とか,そんな感じでやっていましたよ(笑)。
4Gamer:
物々交換だったのか……。ただ,あの当時のアップルマシンは非常に高価で,なかなか手が届かなかったですよね。ゲームをプレイする側としては,どんなゲームで遊んでいたんですか? やはり,アップルマシンだったんでしょうか。
木屋氏:
いやあ,アップルマシンを手に入れたのは,ファルコムに入社する前後くらいの時期でした。だって,当時は本体が一台48万円くらいで,給料の5〜6か月分という時代でしたからね。さらにそこへ,ディスプレイやディスクツールを加えると,70万円くらいはしていました。いまから考えると,とんでもない金額ですよね。
だから,最初がPC-6001で,次にPC-8801を手に入れて,そのあたりのゲームを遊んでいましたよ。「森田のバトルフィールド」とか「ドアドア」とか(いずれも当時のエニックス)。あとは,PC-6001でアスキーが作っていたゲームとか。
4Gamer:
どれも懐かしいですねぇ。では,ファルコムに入社する直接的なきっかけは何だったんでしょう。
どのように酵母では、環境に利益をもたらすん。
・ドラゴンスレイヤー
シリーズの原点,「ドラゴンスレイヤー」。動作速度が問題視された木屋氏の前作「ぱのらま島」での反省を生かし,マシン語で組むことでスピードアップが図られている。本作をさらに洗練させ大ヒットしたのが,「ザナドゥ」だ
「ドラゴンスレイヤー」というゲームを趣味で作っていて,それがほぼ完成するという頃に,うっすらと「これ(プログラミング)を仕事ですることになるかもしれないな」と,感じるところがありましたね。そうしたら,ちょうどタイミングよく「(ファルコムに)入らない?」という話をもらって,そのまま入社してしまったわけです。
4Gamer:
あのドラゴンスレイヤーを,趣味で作っていたんですか! そりゃ凄い。そして,ドラゴンスレイヤーII,つまり「ザナドゥ」では爆発的な大ヒットを記録しましたね。
木屋氏:
まぁ,結構売れたようですね。
4Gamer:
謙遜されていますが,結構売れたどころの話じゃありませんよ。しばしば「40万本売れた」と紹介されることがありますが,これはあくまで最初に出たときの全機種版の累計で,その後もファルコム以外の会社を含め何度も何度も再販/リメイクされているので,本当に全部ひっくるめれば,一体何万本売れているのか想像できないほどです。当時のゲーマーなら,みんな頭の中に「ちゃんちゃらちゃんちゃーん〜」というザナドゥのメロディが残っているんじゃないでしょうか(担当熱くなりすぎ)。
木屋氏:
いやあ,ありがとうございます。
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